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★★★★★ 著者: 万城目学 出版社: 産業編集センター 舞台は京都。京大新入生の安倍は、貧しいので新歓コンパに片っ端から行って食費を浮かせていました。そんなある日、京大青竜会なるちょっと危なそうな名前を持つサークルのコンパへ。すると美しき美鼻を持つ乙女に出会ってしまい、そのままサークルに入会します。最初は普通のサークルのように思えました。しかしじょじょに変な感じになってきます。そしてホルモーなる競技のことを先輩から明かされ・・・ 傑作です。京都を舞台にしたちょっととぼけた青春小説。 ホルモーについて、細かいところを突っ込んで書いて欲しい気もしたけれど、このままでも充分に面白いです。とか書いたら、『ホルモー六景』なる短編集が後に出されたのですが、そちらはなんかもう１つ足りない、という感じでした。多分、異様な熱が足りないのではないか。 とはいえ、やはり『鴨川ホルモー』は面白いです。映画にもなったけど、映画より原作の方が断然面白いと僕は思います。 同じように京都を舞台にしたファンタジックな青春小説を書いている作家として森見登美彦がいますが、森見登美彦と比べると万城目学は少しソフトな感じがします。森見登美彦ほど過剰でも強烈でもひねくれているわけでもなく、もっと万人受けする作風で各々の場面が映像として想像しやすいのです。そこは万城目の強さでもあり、弱さでもあるのかも知れないと感じました（僕は森見登美彦の方が好ですが）。 ２００７年第４回本屋大賞ノミネート作（６位）。 |