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★ 著者: 綿矢りさ 出版社: 河出書房新社 物語は、幹子のお化粧の場面から始まります。彼女は、別れようと切り出してきた彼氏トーマをなんとかつなぎとめ、そして結婚してしまいます。その２人の間に生まれたのが夕子。幼い頃から、モデルとして活躍している夕子は、「スターチーズ」というチーズのＣＭに起用されます。それは、成長していく夕子の自然な姿をうつしていく、という面白いＣＭ企画でした。夕子は芸能界で活躍していきます。ですが、ある男と付き合い、そしてセックス映像がネットに流出したことで失墜し・・・ 長編小説。 退屈なはなしのような気がする、と感じてしまいました。『蹴りたい背中』は面白いと感じたけど、『夢を与える』はいまいちでした。 なんというか、どうしようもないほどありきたり／予想の範囲内なので、途中で飽きてしまったのです。作品全体の流れ自体がかったるい。夕子という女性を作品全体で表しているのだ、と言われればまぁ納得しないこともないのですが、本当に予想をなぞるように進んでいきます。 まぁ、「清純派」というか、アイドルというか、かわいいイメージがある（いや、『蹴りたい背中』だってそんなに大人に褒められる「良いはなし」ではない、と僕は感じたのだけど世間は違うらしい）綿矢りさが、このようなアイドルの失墜を描いた小説を書いたということ自体が、ある意味面白いのかもしれない。あえて期待を裏切り、次はどのようなところへいくのか・・・ そういえば、『夢を与える』というタイトルは意味深長だなぁ、と感じました。 |