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★ 著者: 水森サトリ 出版社: 新潮社 沢村幸彦は友人の綾瀬涼平とともにスクーターで海まで遠乗りするのですが、突如胸を蹴られて崖から転落し、大怪我を負います。それで手術の後、復学するのですが、大好きなバスケをできなくなってしまいます。そして、いつでも眼帯をはずさない少女・かごめや、植物の声を聴くための機械をつくっている変わり者・中川と日々を過ごすようになります・・・ ＳＦ的な設定を取り入れた青春小説。 思春期特有の心の揺れ具合のようなものが、みごとに表現されているような気がしました。登場するキャラクターたちが印象的。 世の中には希望はないし、辛いけど、それでも生きていこうというふうな結論にたどり着くところは良いのですが、ラストの和解には納得できなかったです。あとはアニメ（というか、エヴァ）を意識しているとしか思えないところが非常に気になりました。 ただし、言葉や設定がいちいち胡散臭いというか、上滑りしている気がするのだけど、その違和感もまた物語の雰囲気を形作っています。こう、ぐっとくるところがあるので青春小説としてはなかなかに面白いです。 第１９回小説すばる新人賞受賞作。 |