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★★★★ 著者: 舞城王太郎 出版社: 講談社 「涼ちゃん」が飛び降りてから２年後。１５歳の僕と、１４歳のルンババ１２は修学旅行で東京へ行きます。そして、その途中「僕」は変な姉妹に会い、家まで連れて行かれ、すぐまた戻るということがあったのち、いろんな「密室」と出会っていくことになります・・・・・ 何に分類すれば良いのか分かりません。 とんでもない密室が登場するのですが、ミステリではないような気がします。少年の心を描いているのだから、青春小説か。 以前、同じく舞城王太郎が書いた小説『熊の場所』を読んだときは、なんて凄いんだ！ と感動みたいなものを覚えました。だけど、今回は期待を裏切る事はないのだけど、想像を絶することもないなぁ、という感じです。ありえない予想外の推理とか、つながってどこまでもきれない文章はさすがだけど、もうだいたい予想の範囲内。初心者でも読みやすいソフトな仕上がりです。 もしかして、耐性がついた、ということなのかなぁ。いやそれとも今回はぶっ飛びがそれほどでもない、ということなのか。『煙か土か食い物』みたいに、やたらめったらに暴力とセックスが飛び出したりはしません。 主人公はある程度普通の男の子。周囲のエキセントリックな人間に比べてかなり普通。そして、彼とともに活躍するのは名探偵ルンババ１２。ぶっ飛んだ犯人の屁理屈を次々と暴いていきます。 ルンババ１２が活躍してくれるのが嬉しいです。『煙か土か食い物』では途中であっさりと退場してしまって残念でした。今回は大活躍です。次から次へとぶっ飛んだ推理でいろんな謎を解いていきます。よくそんなことが考えられると感心します。 |