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★★★★ 著者: アラン・ライトマン 出版社: 早川書房 アインシュタインは、毎日、奇妙な夢に悩まされていました。夢の中では、時間が循環し、停止し、逆行し、分岐し、目に見える次元になります。そして、同時に、空間や世界も変形します。人々もかわります。誰もが終わりの日を知っている世界もありました。時間とはいったい何なのか。アインシュタインは悩まされますが・・・ ＳＦ小説、なのか。 掌編が幾つも収録されています。その掌編の一つひとつが、アインシュタインの夢です。読んでいると楽しくなってきます。時間というもののことが分からなくなってきます。ただし、時間が、世界そのものや、空間といったものと密接に結びついているのだということはよく分かります。時間を考えることは、世界を考えることに繋がってくるのだと感じます。 アインシュタインは、一度だけ、正しい、つまり現実と一致した法則を持つ世界を夢見ます。その世界もまた奇妙です。なんというか、変な気分になります。 街の描き方が良いです。なんというか、ヨーロッパだなぁと感じます。 様々な風景が、すーっと過ぎ去っていきます。切り取り方が巧いです。小説というよりは、詩のようです。中で、迷いそうです。 しかし、あと、少し何かがあれば良いなぁと思うのですが。その何かが分からない。 |