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★★★★★ 著者: アレン・ネルソン 出版社: 岩波書店 海兵隊員としてベトナム戦争へ赴いたアレン・ネルソンさんの本。彼は、教室で、ベトナム戦争のことを漫然と語っていたとき、少女から「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか？」と問われます。ですが、答えられず、苦しみます。そのとき、周囲にいたこどもたちに抱きしめられ、戦争を語らねば、と思ったのだ、と書かれています。 自伝的小説。 ベトナム戦争のことがわかりやすくつづられています。アレン・ネルソンは何も思わずに、ベトナム人を殺していったそうです。読んでいると、辛くなってきます。 ただし、誰もが読むべき本なのではないかと思います。戦争というものや、兵士というもののことがわかります。兵士は敵を殺すために戦います。なので、考えません。考えるのは上司たちです。そういったことに、ネルソンさんは、あとで気づいたそうです。 軍隊の中には、建前上は差別がないそうです。しかし、扱いはむろん異なります。だから、黒人兵士は、白人兵よりも多く戦死したそうです。その事実を、ネルソンさんは、戦場でもなんとなく感じたそうですが、あとから明確に知った、と書いています。知らないから、戦えるのかも知れない、と思いました。 知る、ということは大切なのだ、と思います。 アレン・ネルソンさんは、海兵隊員としてベトナム戦争へ赴きます。そして、多くの人間を殺しますが、戦後苦悩します。ＰＴＳＤという病に悩まされたのです。そして、ホームレスになってしまいます。ですが教員になっていた旧友に頼まれ、学校へいきます。そして、教室で、ベトナム戦争のことを漫然と語っていたとき、少女から「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか？」と問われます。ですが、答えられず、苦しみます。そのとき、周囲にいたこどもたちに抱きしめられ、戦争を語らねば、と思います。その後、基地に苦しむ沖縄などにもいき、戦争を語りました。 |