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★★ 著者: 白河三兎 出版社: 講談社 留置所にいれられている私が語ります。私は高校最後の夏の終わりごろに裏山で「セミ」と出会います。彼女は首を吊ろうとしていました。私は止めることができず、何となくイルカの物語を語ります。すると彼女は私のことを「イルカ」と名付けました。その後、彼女とともに一週間をともに過ごすのですが・・・ 青春小説。 よく練られています。文章も悪くはありません。最後まで丹念に綴られていきます。しかし、期待外れではあるかも知れません。メフィスト賞を受賞した割には小粒です。投げ捨てたくなるような表現や展開は見つからないのです。だから、読んでいても面白くありません。 村上春樹の影響が強く感じられると指摘する人もいるようですが、的確だと思います。セリフなどがいちいちわざとらしくないように見えて、非常にわざとらしいのです。だから、良くないということはないのですが、読んでいるとむず痒くなってきます。 ものわかりの良いラストもなんというかつまらないです。 第４２回メフィスト賞受賞作。 |