トピック授業 「近頃の若者は・・・」
「近頃の若者は・・・」 「最近の若い者は・・・」
・・・・・そんなような言葉をいろんな場所でよく聞きます。
そしてその言葉に続くのは、ほとんど必ずといって良いほど非難です。
「わがままだ」 「苦労を知らない」 「礼儀を知らない」・・・・・
ではもう少しそのことを考えてもます。
｜ 最近の若者は怠惰になった。
｜ 自分自身の才能を磨こうとしない。
｜ １つの職業に誇りを持ちって、それを打ち込むということがない。
｜
｜ 安逸と無気力、さらに悪い趣味が男たちの心を支配している。
｜ かれらは歌ったり踊ったりして、女性化している。
｜ 髪の毛をカールにしたり、女性的な言葉を使う。
｜ 不似合いな飾りを身に着けたりして女のように無気力である。
｜
｜ 力とたくましさに欠け、自分らの受け継いだ文化に対して、
｜ 一生をかけて新しいものをつけ加えようとする気概がない。
｜ 自分の運命に不平を言うだけである。
｜
｜ （『青年心理学入門』（川島書店）より）
上の文章は、いったい誰が書いたものでしょうか？
また、いったいいつ言われたものなのでしょうか？
候補の中から考えてみてください。
答えです・・・
●正解は C です。
実は、これは２０００年近く前のセレカという人が書いたものです。
Ｊ３−１では、半分の人が「２０年くらい前」と答えました。
しかし実はもっと昔でした。
次にもう１つの文章があります。
｜ このころの若者は贅沢になった。
｜ 礼儀作法も知らないし、目上の人を尊敬せず、権威に逆らう。
｜ 子どもたちも甘やかされている。
｜
｜ 子どもたちは部屋に年輩者が入ってきても席を譲ろうとしない。
｜ 両親に口答えし、来客の前でさわがしく無作法な食べ方をする。
｜ そして、先生に対しても横柄である。
上の文章は、いったい誰が書いたものでしょうか？
また、いったいいつ言われたものなのでしょうか？
実は、この文章も前の文章と同じで、遥か昔のものなのです。
２５００年前のソクラテスが書いたというものです。
このように、遥か昔から大人は、「近頃の若者は・・・」と非難して来たのです。
世代交代しても、昔子どもだった大人が、若者非難をしてきたのです。
ですが、若者が全面的にたたえられる時代もあります。
それは主に、戦争の時代です。
若者がほめられる、そんな時代はきなくさいというべきです。
大人が、グチグチ言っているうちはまだ安心、なのかも知れません。
２００７年９月１２日最終更新
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