「やぁ、諸君。僕は琥金という」
戦闘が一段落したとき、眼光の鋭い青年が挨拶した。
「またはゴールデン・ナイトともいわれている、よろしくな」
「・・・どういうことなんだ」
リュウが呟いた。彼は味方なのか？それとも・・・味方をよそおう敵なのか？
「君らには真実を知る権利があるだろう、な。何でも聞いてくれ」
「あなたは誰ですか？」
セイコがためらいがちに聞く。まだ警戒心を解いてはいないらしい。琥金は笑っていった。
「それは、さっき行ったとおりだよ・・・、そういうことではないのかい？」
「この殺し合いみたいな事態は何なんですか！」
「殺し合いだよ。敵がいて味方がいる、う〜ん何も知らないか、一通り説明するよ」
「・・・２５００年ほど前、希臘にイストモスという僭主が存在した。彼は一つのポリスを支配していた。
「あるとき、天空から大いなる災いが舞い降りた。隕石だよ。
「それによってポリスは全滅した。たった三人の生存者を残して・・・」
「どういうことなんです。何の関係があるんですか！」
リュウは思わず叫んだ。すると琥金がふっと笑った。
「その隕石にはね、未知の液体が潜んでいたんだ。それは生き残った三人を不老不死にした」
「え・・・、不老不死って。マンガの話じゃないのか」
リュウが呟く。
「いいや、彼らは今でも生きているよ。理由はしごく簡単、不老不死であって永久不変ではないところにある」
「つまりさ、肉体の内部は人間と同じように新陳代謝してるんだ。それをね、完全に一定に保つ」
「そうすれば細胞単位では肉体は変化しても、人間としては全く変わらないのね」
「ご名答。さすがだね、レイ君だったかな」
レイの顔が曇った。琥金は続けた。
「皮肉なものだよ。ポリスの大多数のものには永遠の死が、三人だけには永遠の命が授けられたのさ
「その後、三人は何千ものあいだ、世界をさすらった。そして退屈を紛らわすためにおろかなことを繰り返した。
「一人がロキ―君らの戦った相手だ、もう一人がオーディン、最後の一人がトール」
「おろかな行いの一つが、世界征服だよ。彼らは遊戯のつもりなんだよ
「だから成功しようが失敗しようがかまわない。
「その遊び相手が俺達ライトなんだよ、馬鹿らしいが」
「いくらなんでも殺されようが何しようが、黙っているのは馬鹿だ。
「だから数百年前に立ち上がった者たちがいた。その一人が俺、だ」
「まぁ俺は雇われたに過ぎないが」
「よくわかんない」
コウがいうと、琥金が笑って言った、まあいいや、と。
そして彼はまた喋りだした。
「今のは忘れてくれ、さてと君らの親に会ってきな。記憶処理がされているから」
「へ？」
「だから君らの数日間の失踪のことを全て忘れさせた」
「そんなことは無理よ！」
「いえいえセイコ君、そんなことはないんですよ」
琥金は3の死体を越えて洞窟に入ると、シロキを抱えたでてきた。なんと全身の傷が消えている。
「彼の傷は表面的には消えたでしょう、まぁっこれから治さなきゃね」
目の前で信じられないことが起こっていた。しかしジモレンジャーの五人は呆然と立ち尽くすだけであった。
琥金はシロキをセイコに預けると軽いステップで去っていった。明るい声を残して・・・・・・
「楽しい夏休みを」
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